ミツエーリンクスのCSRへの取り組みは長い歴史をもっています。その取り組みは、品質管理、環境管理、情報セキュリティ管理に端を発しました。
負のスパイラルからの脱却
ミツエーリンクスは1999年より、サービスの品質向上・リスクの軽減を目的としてISO9001(品質管理)およびISO14001(環境管理)という2つの国際規格と、BS7799(情報セキュリティ管理の英国規格=情報セキュリティ管理の国際規格 ISO27001の前身)の取得、運用に取り組んでいました。
しかし、取得してからも実効性のある運用フェーズまで到達することは困難をきわめました。マニュアルをつくって社員の行動や手法を規定したところで、実際に運用するのは生身の人であるため、そこにどうしてもバラツキが発生してしまうのです。
苦労して取得して、結果として運用コストだけが膨大に増加するという苦しい境遇に直面しました。のみならず、プロセス上の欠陥を補おうと、プロセスにさらにプロセスを追加するという初歩的なミスを起こしてしまったため、社内のプロセスは複雑化する一方となり、その結果さらに品質は低下するという、負のスパイラスに陥りました。
「品質が向上せず、コストだけが増加するのはなぜなのか?」 長い苦悶の末に、それは「人」の行動にバラツキがあるからであり、突き詰めれば、個々の「心の問題」なのだという、当社独自の境地にたどり着きました。
ECS2000によるアプローチ
「心の問題」という課題を解決するために、当社は「ECS2000(倫理法令遵守マネジメントシステム)」を活用するというアプローチを取りました。この狙いは、“価値観”や“社風”という、目には見えないモノを形として明確にすることで心のバラツキをなくし、それにより各人の行動のバラツキを減らして、品質の向上を目指し、その結果「経営品質の向上」につなげるという、プロセスの転換を試みたのです。
当社で運用されている数々の国際規格(行動プロセス)の頂点にECS2000の規格を位置づけることにより全体のバランスを取るという奇抜な発想は、今振り返ってみれば、ミツエーリンクスのCSRの取り組みの原点といえるでしょう。
なお、2009年4月に、当社は倫理法令遵守マネジメントシステムを内部統制マネジメントシステムに発展させました。ミツエーリンクスの価値観や社風を継続的に浸透するための仕組みは残しながら、会社法やJ-SOX法などへの対応が組み込まれた新しいマネジメントシステムになっています。
CSRへの取り組みとして発展
2001年、スイスのジュネーブに本部を置くISO(International Organization for Standardization=国際標準化機構)理事会のもとに設置された「消費者政策に関する委員会COPOLCO(Committee on Consumer Policy=消費者政策委員会)」の会議の内容を目にする機会がありました。そのとき、CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会的責任)という言葉をはじめて知りました。
私は今まで聞いたこともない、この目新しい概念に強く惹かれました。
当時、ミツエーリンクスは日本ではじめてECS2000(倫理法令遵守マネジメントシステム)の社内導入を目指しており、外部からコンサルティングを招いて1年がかりでマニュアルづくりや社内浸透を図るためのプロセスを構築していた時代です。その取り組みのなかで、「CSR」と「ECS2000」の精神は相通じるものがあり、我々が取り組んでいるECS2000は、いつかCSRと連動し、国際社会に浸透する時代がくるかもしれないと感じたものでした。
CSR活動の現在と未来
現在は、従業員に対するEAP・OHSASの運用、社会貢献活動においては「エチオピア5年プロジェクト」により小学校の建設が進んでいます。さらに、より広範囲のステークホルダーの皆様に向けて地道ながら着々とCSR活動が前進しています。
また、J-SOX法や内部統制の仕組みづくりでも、プロセスアプローチという意味では今までのCSR活動と類似点が多くなじみ深いものがあり、比較的スムーズに社内に浸透しています。
ミツエーリンクスのCSRの取り組みは長い歴史をもって、さらに未来に向かって変化していますが、その根底にある精神はひとつも変わっていません。ひと言でいえば、ミツエーリンクスにとってCSRとは「良心のマネジメントシステム」です。
できるところから、止まらす、急がず、改善しつづけるというミツエーリンクスの精神をもって今後もCSRの活動に取り組んでいきたいと考えています。









